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皆さんこんにちは!
株式会社ヤマダ、更新担当の中西です。
目次
左官とは、建築物の壁・床・天井などにモルタルや漆喰、土などを塗り仕上げる仕事です。
日本では古くから「家づくりに欠かせない職人技」として尊重されてきましたが、現代社会の構造変化や建設現場の在り方の変化により、左官工事を取り巻く**“環境”**は大きな転換期を迎えています。
今回は、左官工事の現場における“環境”というテーマを、「労働環境」「施工環境」「材料環境」「人材環境」などの多角的な視点から詳しく見ていきます。
かつて左官職人は、親方のもとで長い年月をかけて一人前になっていく“徒弟制度”の世界でした。
しかし現在では、人手不足や高齢化が深刻化し、若手のなり手が減少。多くの左官業者が労働力の確保に悩んでいます。
厳しい夏場の外部作業や冬場の寒さ対策
腰痛や膝への負担が大きい姿勢
働き方改革による労働時間の制約
一方で、近年では養生マットや補助具の開発、建設業向け作業服の進化などにより、少しずつ改善が進んでいる分野でもあります。
昔の建築現場は、左官仕上げが主役でした。漆喰壁、土間コンクリート、洗い出し仕上げなど、左官の技術が建物の表情を決めていた時代です。
しかし近年では、以下のような要因で左官の出番が減っている現実があります。
ボード仕上げ・クロス貼り・プレキャスト材など、工場生産による“早く・安く・均一”の工法が主流に
工期短縮とコストダウンを優先した建設手法の台頭
DIY建材や住宅の“工業化”が進行中
こうした背景により、左官工事は“必要なところにしか使われない”選択制に近づいているのが現状です。
一方、自然素材への関心の高まりや健康志向の住宅づくりの中で、左官材料への注目も再び集まっています。
**漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)**による調湿・抗菌効果
土壁・藁スサ入り塗材などの伝統的エコ素材
VOC(揮発性有機化合物)ゼロ塗材の開発と採用増加
これらの素材は、人と環境にやさしい左官材として、再評価され始めています。建材業界でもサステナブル建築の一環として、自然系左官材を提案する動きが広がっています。
左官工事の最大の環境課題は、「技術の継承」です。
職人の高齢化(60代以上が半数を占める地域も)
若手人材の不足、徒弟制度の解体
技術を言語化・マニュアル化しにくい分野
こうした現状に対し、一部の企業や団体では以下の取り組みが進んでいます:
左官学校・技能講習会の開催
YouTubeやSNSを活用した技術動画の発信
若手職人向けの技能コンテスト
伝統とデジタルを融合させて、**「見て覚える」から「伝えて覚える」技術」**へと進化させる流れが生まれつつあります。
左官工事は、時代とともに変化を迫られている現場です。
しかし、自然素材の需要の高まりや、技術の価値見直しといったプラスの環境変化も同時に起きています。
環境が変わるということは、ピンチでありチャンス。
次回の記事では、この変化を踏まえたうえで、左官工事の**“未来”**について展望していきます。
次回もお楽しみに!
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